君を待っててくれる人がいる

春の風は 森の氷を溶かし

水となり 泥となり

ぬかるみの中を 子ども達は歩きました

 

ブーツにくっつく泥は重く

子ども達 歩き疲れていました

帰りの道は 特に疲れました

 

帰り道 君は最後になりました

何度も座りながら 何度も止まりながら

ゆっくり 君は進みます

 

野原の向こう お友達は既に着替えて

おやつの準備をしています

 

『ほら、お母さんいるよ。見える?』

君がふっと顔をあげます

『どこ?見えない...』

君は顔を傾けて ママの姿を探します

 

君はママに向かって歩いていきます

ママも君に向かって歩いてきます

 

『お母さん、どこ?...お母さん、どこ?...』

つぶやきながら 君はゆっくり 歩きます

 

『お母さん、いた〜!』

君がお母さん向かって走り出します

 

今日の森で 一番早いスピードで

お母さん向かって 駆けていきます

 

『おかあさん!』

 

『おかえり』

 

どんなに遠くて 君が見えなくても

どんなに疲れてて 君が立ち止まって なかなか帰ってこなくても

 

君の事を待っててくれる人がいる

 

君達は愛されながら育っています

 

『君達は愛されている』言葉では表現できないこの気持

幼い子ども達の心に沢山感じて欲しいです